この一週間前に、釣り体験も希望された参加者の方と一緒に牡鹿半島で食材を釣ってきました。
1月下旬とは思えない穏やかな日でしたが、いつもは人気の漁港も貸し切り状態で、あまり状況が芳しくない予感がします。
狙いの魚と釣り方、魚の活性が高くなる時間帯などを確認して釣りをはじめましたが、前半はあっという間に何事もなく過ぎていきます。
下見の際も明るい時間帯は無反応で予想はしていましたが、材料がそろうのは早ければ早いほど安心できるので、最初の時合いとなる日没前は竿を握る手に力が入ります。
隣の釣り人が続けて2尾釣りあげたタイミングで、この日初めての魚信があり、良型のアイナメが釣れました。アイナメは30cm台を想定していましたが、43cmのオスは出来過ぎでした。
日没後にも二度目の時合いが来るので、メバル狙いとソイ狙いに分かれて、黙々と竿を振りますが、予想の時間になっても反応の無いままです。
当初は週の中ごろにもう一度釣行を考えていましたが、荒れ模様の予報のためこの日が最後のチャンスなので、日中以上に焦りが募ります。
予定を1時間過ぎたころ、場所を小移動した同行者に良型のドンコが釣れたので、荷物を移動して最後のチャンスに備えます。
ほぼ新月の真っ暗な中での釣りは、初めての方には大変だったと思いますが、このタイミングで30cm台のアイナメを釣り上げることができたので、案内した甲斐がありました。
刺身用のソイはあきらめてメバルを狙っていると、とてもよく引くベッコウソイが釣れてくれました。
最後はおいしくいただくための下処理を行い、食材の調達完了です。
以下、イベント当日の様子と企画に至った経緯です。
夏に異常な暑さを感じることが多くなったり、今年のような暖冬を経験すると、温暖化を強く意識するようになりますが、影響を受けているのは様々な生き物も同様です。
体温を調整できない変温動物である魚も顕著な影響を受けます。
今年度サケが不漁だった原因に海水温の上昇が挙げられます。4年前にふ化して降海した沿岸部の海水温が高かったことで成長が悪かったうえに、今年の遡上期になっても海水温が高かったことなどが原因のようです。
アイナメも水温が下がる秋以降に産卵のため接岸するので、防波堤から手軽に釣れるようになります。ですが今シーズンは11月はおろか12月になってもあまり釣果がなく、12月下旬になってやっと産卵に絡むような個体を見ることができました。
ほかにもドンコやソイなども冷たい海水を好む種類で、アイナメと同じようにこの時期になると水揚げが増えるため、スーパーにも並ぶ食卓とも関係が深い魚です。
釣って楽しい、食べておいしい、根魚をとおして、地域の海や低炭素な暮らし方について考えるきっかけになればと企画しました。
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