この時期になるとHPの検索キーワードに【広瀬川・鮭】が目立つようになりますが、当のHPはイベントの告知や開催レポートばかりで、見にきた方の参考になりそうな情報を全く掲載していなかったので、見聞きした範囲で今期の状況についてお知らせします。
広瀬川のサケ観察のキーとなるのが、【ウライ】と【郡山堰】と【降水量】です。
【ウライ】はサケを採捕する漁業施設のことで、広瀬川・名取川ではこれを利用し増殖のために漁協が遡上してきたサケを採捕して人工授精し、稚魚を飼育・放流しています。
10月中旬には広瀬川・名取川ともに地図中の★印の箇所にウライが設置されました。
ウライは写真のように川を横断しており、設置されるとこれより上流へはサケは遡上出来なくなります。(写真は広瀬川)
【郡山堰】はかんがい用水を確保する施設です。
魚道は一応ついていますが、サケなどの大型回遊魚が越えるのには適していないため、多くのサケはこの堰を越えることが出来ません。
【降水量】は、遡上期初期にあたる10月の降水量がわずか26.5mmでした。
雨が降って川が増水すると、ウライが流されないように一時的に撤収されるのでその間にサケが遡上出来るのですが、雨が少ないとウライが設置されたままになります。
また、郡山堰も水量が増えると越えやすくなるので、より広い範囲でサケを観察することが出来ます。
【2016年のこれまでの状況】
- 10月7日には郡山堰の下でサケを観察することができました。
- 10月上旬は大倉ダムからの放流量も通常よりも多く、川の水位も高かった事から堰を越えた個体もいたと思いますが、数が多くなかったようで郡山堰より上流側では確認できませんでした。
- 10月15日~25日前後は、下流部にウライが設置される以前に遡上してきたサケが郡山堰の下流側で盛んに産卵を行っていましたが、11月5日の時点では個体数がグンと減って、20~30尾程度ではないかと思われます。
- 名取川も太白大橋上流側の産卵場所も、11月2日時点で生きている個体は1尾も見つけられませんでした。
- 広瀬名取川漁協にサケの遡上状況を確認したところ【例年並】とのことでした。
【2016年のこれから】
- しばらくまとまった雨の予報がないので、郡山堰も今いるサケが産卵を終えるあと1週間程度は観察の可能性がありますが、それより上流は難しいと思われます。
- 11月中旬までにサケ採捕予定数が達成されればウライが撤去され、遡上後期組のサケが見ることが出来るかもしれません。
- 上記に降雨のタイミングがあえば、大橋~牛越橋でも観察の可能性があるかもしれません。
先日行ったサケの観察会でも、多くのかたがサケをみるのははじめてとおっしゃっていました。
身近な川で見応えのある魚が観察出来るのですから、多くの方に見て、そして何かを感じてもらいたいものです。
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